インフレどうこうの記事を読んでて思ったけれど、インフレを是とする場合、控除や累進課税の段階をいじらないと、実質増税になるよな。仮に名目物価、賃金が倍になると、控除の効果は半分になり、課税所得が増え、高い税率で税金を納めないといけなくなり、家計の実質消費が減る。
ということは、現在のような資源価格の上昇によるインフレの場合、その負担が他の要素に対してもきちんと価格に反映されて転嫁されたとしても、「増税」効果によって景気は減衰することになる。そのように負担がちゃんと反映されずにただ負担だけが増えるから消費が減って景気が悪くなると考えるのが普通ではあるが、大学の授業でも「増税効果」による影響をまともに聴いたことはなかった気がする。寝てたかな。もちろん一気に倍になるみたいなことは早々ないけれど、景気が良くなれば物価が上がり、行き過ぎた景気を抑えるために金融政策で貨幣供給量を管理するという考え方では、想定以上に引き締めの方向に働くのではないか。相対的増税効果による影響は即時ではなく1年程度のラグがあるものと考えられる。目の前の物価だけで金融政策を行ったとしても、むしろ経済を振り回すだけのリスク要因になっていてもおかしくない。確かに景気は気分だからとも言えるから、それで間違いというわけでもないかも知れないし、マクロ的には無視していい話かもしれないが。
なので安定したインフレを考えるならば、本来は金融政策だけではなく、税制の見直しもセットで考えるべきなのでは。まぁ一国の金融政策程度で国内を物価をどうこうできるような環境ではなくなってはいると思うが、ならばなおさら政策として一体化する必要があるのでは。
また、法人税は一律っぽいので、影響はあまりないかもしれないが、家計レベルでは累進課税制度は控除との組み合わせで行っている所得の再分配機能が働かなくなる。インフレによる増税効果は高所得者にとっては相対的に影響が低くなるため、インフレ状態と税制の柔軟性が保たれない限り、所得格差は相対的に広がっていくことになる。インフレは所得格差を増長させる方向に働くわけか。
インフレを是とする経済政策を基本とするならば、累進課税や控除といった税制は、恒久的に減税しなければ所得の再分配機能としての効果は薄くなるといえる。無いよりかはマシではあるが、所得の再分配を何をもって達成するかの議論は必要になりそう。
とはいえ、1年毎に税率や控除の額が変わるのも問題ではあるな。実務的にも負担が大きい。結局のところ総合的になんだが、ベーシックインカムというのはパッケージとしてはわかりやすいのかもしれないな。変に複雑化してしまう税制やセーフティネットより、コンセプトもシンプルで効果が分かりやすい。BIがにわかにもてはやされるのはそういう一面もあるのかな。
佐々木朗希が完全試合。槇原以来。19奪三振は1試合最多タイ。13連続奪三振は記録を9連続から大幅更新。凄いな。160kmが普通っていうのももう隔世の感がある。本当にすごい投手だな。大谷やイチローの感想を聞いてみたい。これによって佐々木の研究がよりなされれば、投手において大事な要素というものがより鮮明になるのかな。しかし、ストレートとフォークがメインっていうのは打者にとってどういう風に見えるものなんだろうな。野茂や佐々木がそうだったように、大投手にとって必須の変化球といっていいのだろうか。
比較的近いところでは中日ー日ハムの日シリで完全リレーがあったけれど、完全試合のほとんどが1970年以前みたいなことを考えると、最早そういう記録は出ない環境ではあるのか。打者のレベルが上がったのもあると思うが、完投完封がなくなっているシステムというのもあるんだろうな。
メジャーは日本とは逆の感じだな。しかも比較的近年にかたまって達成されている。ルールによるところが大きいのだろうか。不思議。
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