秋葉原に行かなくてはならないだろうとは思っていたが、ちょっと遠くの量販店に足を伸ばしてみる。やっぱりダメだ。価格も高いと感じることこの上ないし、展示されている量がなさすぎる。ほとんどが韓国系のもの。安いのもそこらへん。国産メーカーをと絞っていたので論外もいいところだった。アウトレットも少し覗いたが高すぎる。アホかと思う。
どうしようもないのでアキバにいく決意を固める。金を二万ばかり借りる。とりあえずネットでちらほら評判がよいように見える三菱の1713Vをメインに考えてみる。
Nスペの長寿企業を見る。
ちょっとながらで見ていたから頭に入っていないところもあるが、長寿企業が不況にものすごく強いというのにびっくりする。また、本業にひたすら邁進しているところにも驚く。飛鳥時代からあるという金剛組など、世界的に見て歴史の長い企業が五万とある、いや5万もなかったけど、ただ驚く。アメリカが少ないのはまぁしょうがないけど、中国なども政治的なことなのか少ないようだ。日本という国、文化の底力というものをまざまざと感じた。
歴史的な積み重ねからくる社会的信用というものもあるのだろうが、そこにある技術などもやはりすばらしいのだろうか?科学技術の発達とともに自分たちも同じように成長したというのならば、伝えられる経験などがある分、確かに他に比べて優位に立てるかもしれないが、そうは言っても他にもたくさん競合がいる中で、長寿企業がたくさんあるというのはすごい。
たしかに花王の例と同じように、少しずつでも自分達の商品を改良していく方法をとっていっている長寿企業は多いと思う。それ自体が非常に有効で、他のどの投資案件よりも収益率が高かったりするかもしれない。
もちろんデータ的に、日本の文化的なものが出ている側面もあるかもしれない。もともと新規事業に消極的で、伝統を重んじて家訓に背かないとか、専門性を高めることを重視することにむいた文化なら、そういう企業群の中で生き残った長寿企業もまたそうであるのだから不思議ではない。そこらへんは番組の中で深く突っ込んでいるわけではないからこちらもよくわからない。長期的視点という意味では、欧米企業に比べて確かに長い目で事業を見ていると思うが、本当にそれが企業にとって正しい視点かどうかもあれだけではわからない。
ただ個人的には周りや環境があれだけ変わっているのに、中身としてさして変わっていっていない、伝統を守る企業が強いということに強い興味が湧く。普通なら、周りが変わるなら自分もそれに即して変わっていくべきだと思うからだ。一種の考え方、経営方針の中で、自分達を外と対応させるということなのだろうか。
他に、日本文化的な意味でいえば、ここまでたくさんの長寿企業が多いのは、競争というものが一方で否定されてきた側面ももしかしたらあるのかもしれないと思う。
市場が小さくなったり不況だからといって、自分達の利益や生き残りの為に相手のパイを食い合って他を潰すとかではなく、市場全体の見地から皆で手を取り合ってきたような部分で皆が生き残るといったことやってきたことが、こういう長寿企業がたくさんいる理由なのではないだろうか。
消費者の為ではない談合などの部分もあったとは思うが、しかしその一方で、市場そのものをある程度マネジメントしていたのであれば、非常に有効であったはず。一人勝ちせず、負けたものに手を差し伸べる。ある程度成長したらのれんわけをして、というような皆でわける文化というものが利いていたのではないだろうか。これがその市場全体にプラスに働くのならば、長寿企業が多くても全くおかしくはない。
競争一辺倒ではよくないことは、最近の長距離バスやタクシー運賃の値上げなどからもわかる。市場に任せるという放任主義的競争がプラスになるとは限らないのだから。
今の時代に長寿企業のやり方が本当に合うのかどうかは、あと100年見ないとわからないだろうが、しかし、今現在企業として成り立っていることを考えると、そのやり方は正しいとまでは行かなくても、間違っていない経営方法なのではなかろうか。確かに伝統という他の企業にはない重荷を背負っていたりする分、経営者は大変だとは思うが、だからこそ、そこで行われているやり方には学ぶべきものが多くあるような気がする。番頭制とか。
こうやって書いてみて色々考えることのできる番組だった。