忍者ブログ

備忘録

CSCのブログのバックアップだったけど、こっちがほんちゃんに。

Nスペ

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Nスペ

 Nスペ トヨタピラミッド
 
 リーマンショック以降国内生産減少。国外における競争激化。特に新興国については苦戦していて、さらなるコストダウンの為現地調達へシフト。円高もあり国内サプライヤーはさらに苦境にという話。二次?サプライヤーの野口製作所を軸にお話が進む。現社長は創業者が連れてきた人らしい。そういう状況なのでインドネシアの工場を買収して、インドネシアのピラミッドに入るという選択をする。国内のリストラも視野にいれ、人事も変えたり、国際経験のある人を引き抜いてきたりと色々やっている。工場買収交渉も華僑が他にも買い手がいるからというような話で難しかったり、契約したらしたで工場の労働組合が賃上げなどの要求をしてきたり、拠点ができたからといって一次サプライヤーの反応がいいわけでもないという話。引くも地獄進むも地獄という状況で無力なのでとにかくなんでも一生懸命やるしかないというお言葉。
 野口製作所と取引もあった三次の会社の廃業の話も。コストダウンと品質向上の両立のために努力しろというお達しから、バネ会社はラインを変えたりとか。トヨタ自身も先頭に立って努力をするという。一次は現地社員の教育にも力を入れ始めていて、二次も含めて完全な競争になっている。

 ちょっと昔なら仕事をどう断るかが問題だったらしい。隔世の感ともいえるけれど一方でこのような現状になっていることを考えると、その状態に満足していたからというのもあるんだろうなぁ。本来ならばもっと前の段階で海外シフトを進めておくべきだったのだろうけれど、切羽詰ってからの海外進出ではそりゃ選択肢もないのだろうな。そこらへんは未来予測のレベルなのだろうか。なんか何年か後には世界の生産台数は1億台とかいってたな。でその半分が今の新興国というか中興国になると。

 そもそもどうしてピラミッドができてきたのか。トヨタ単体ではできない仕事を外に発注してっていうことなのだろうか。それなら系列はあったにせよトヨタ以外の自動車メーカーとの取引も可能だろうし、ピラミッド外の部分も大きいので、自動車以外にも使える技術もあるだろうからトヨタピラミッドの一部ではあっても依存関係にはならないよな。トヨタと一蓮托生と思っていなければ、他の業種に広げることができるだろう。まぁそれができるのが1次とかの技術のある大きな会社なのかもしれないけれど。
 一方でトヨタの生産力の足らない部分に関しての予備能力としてあるのならば、トヨタの生産力の向上で価値は失われる。といっても相対的に需要が高ければ仕事はあり続けるので、ピラミッドは維持されるか。これだと完全にピラミッドの依存関係になる。しかしこれはトヨタ自身の生産力のほかに販売力にも関わってくる。これはものづくりや高品質という部分と必ずしも直結しない。生産部分で努力してもトヨタの販売力がネックの場合、多くの下請けは努力しても報われないという状態になる。さらに基本的に生産能力というのは年々増加していく。工員の熟練度もそうだし作業の効率化が常に行われるような改善社風ならば必ずそうなっていく。新技術や新工場はより効率のいいつくりになっていくので、経年劣化もあるだろうが時間経過によって生産能力は基本的に増す。そういったことも関係ないくらいの大きな需要が市場にあるか、需要が生産能力以上に増えるようでなければ、この構造の場合はいずれその予備能力が必要なくなる。ピラミッドから落とされる。今それがかなりの部分で来ている時期になったんだろう。
 というかこう考えてみるとピラミッドという考え方がおかしい。頂上がトヨタで下になるにつれて1次2次という下請けになっているけれど、構造から見れば一番下がトヨタであって、その上に下請けがのっかっている。だから相対的にトヨタの土台が弱まれば上にある下請けから落ちていく。広さは販売力。高さが生産力というか。そんな感じ。
 自動車産業自体が裾野が広くないとできないという意味で富士山のように例えられているし、頂上にトヨタがいるということでピラミッドとなっているのかもしれないけど、力関係も利益であっても、一番のウェイトを占めているのがトヨタと言う意味ではピラミッドは余りあわない気がするな。その意味では逆にトヨタと対等の関係ならば、同様に土台部分を担っているといえるし、利益も構造でも影響力が大きいといえる。そこが上に誰も乗せないよとなれば、下請けは落ちていくわけだし。
 
 こういうのを見せられると、鶏口となるも牛後となるなかれという言葉を思い出す。この場合野口製作所は小さくないとはいえ一企業であり、トヨタの社員というわけではない。その意味ではあの社長は鶏口といえるかもしれない。が会社自体がトヨタピラミッドにのっかっていることを考えると全体としては牛後そのもの。経済っぽくいえば小さな市場であってもそこでトップを目指すことの方が、大きい市場のおこぼれを拾うより良いってことになるのだろうか。難しいところだな。

 10年以上前にグローバル化だ情報化だネット化だとか騒がれていた気がするけれど、トヨタピラミッドに今それがおきているということは、国内はよっぽど強かったんだな。安心安全で。先が見えすぎても動けないだろうけど、目の前だけでもやっぱダメだしな。インドネシアで教育を受けていた社員は希望にみちていた感じだった。あんな感じは最近の日本ではあまり見られないし、国の勢いというのも見せ付けられた感じがする。
PR

コメント

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

アーカイブ

ブログ内検索

アクセス解析

カウンター

忍者ポイント広告

アクセス解析