今までのプレイ経験から今更無印civ4の志向を考えてみる。
哲学は全都市に民族と同じ効力なので普通に強力。もちろん偉人が出て何ぼなので、パンがないと駄目だが大学半額はOXの為にも旨い。
勤労は遺産ボーナスがあり序中盤での世界遺産を資源無しでも頑張れる利点と、中盤以降の国家遺産のボーナスは大きい。序中盤の民族・OXもそうだし、中盤のラシュモア・製鉄所も早くなる。なにより資源ブーストのないウォール街やペンタゴン・三峡ダム・ブロードウェイ・ロックンロール・ハリウッドあたりが早くなったりと、相対的に弱体化する終盤でも強みはある。溶鉱炉の半額は序盤の遺産建設的にも二重にうれしい。大体2ターンは早くできるため、遺産競争において重要。
金融はハンマーボーナスはないが、限定黄金期が常に発動しているという意味で強い。偉人に換算してみるとどれだけ得か。水タイルの多いマップではその強さは際立つ。ハンマーにシフトすると逆に弱い。
攻撃は初期ラッシュと後半の特別奇襲狙いならば非常に有用だが、大抵技術リードでの中世戦争のため有効性は限定的。兵舎乾ドックの半額はいいが通常都市における優先度は低い。防衛的に楽にはなるが、外交でカバーできるはずなので志向に頼らなくてもよい。職業軍人・ウェストポイントと一番相性はいいが必須ではない。
創造は序盤の囲い込みや資源確保、オベリスク無視はうれしい。暦も優先できる。混み合った土地では創造でないとつらく序盤における効果は一番だろう。ただ演劇はメインルートから外れるし、志向のおかげで劇場がそもそも必要なかったりする。不幸的にもコロシアムも後回しになる。グローブ座はそこまで重要ではない。よって中終盤ではカスといっていい。
拡張は遺伝子工学を先取りしているととらえると序盤からずっとお得で、衛生がきつくなければ後半で冷蔵技術や遺伝子工学を後回しにできるので有用。必ず最初に建てる穀物庫が半額のため序盤から都市成長が早いのと奴隷が早期に使いやすくなる。ただ後半ではこの効果は弱体化する。また港の半額も地味にうれしい。一つ一つの都市の成長の早さが全体の成長の早さにつながるため決して弱くはない。
宗教は革命ロスがないため他の志向に比べてその点で明確に得。全体で見れば確実に5ターン分得できる。場合によっては技術一番乗りや世界遺産での強みにもなる。社会制度ルートを優先しやすく、奴隷・農奴・カーストを時期によって使い分けることもできるし、平和主義もその都度変更できたりと、内政に柔軟性を持たせることができる。また宗教も頻繁に変えることができるため、その時にあった宗教もあわせやすく、制度も含めて外交での柔軟性が増す。寺院半額自体はそこまでおいしくはないが、中盤以降聖堂を上手く使うことで文化や不幸対策が若干楽になる。
組織は公民半額という実利であるが、マイナス金はブーストされることがないため金融に比べて中終盤で明らかに劣る。ただし高負担の社会制度を多用するプレイスタイルでは非常に有効になる可能性はある。科学税率を高く長く保てつことができ、プレイスタイルによってワンプレイを通してどの程度研究ロスが少なくなるかははっきりしないが、80%が86%になるだけでも300ターンで10ターン分ほど研究ロスは少なくなる計算。その意味では強い。ただ序盤はほとんど無意味。灯台半額は海沿いではうれしいが、裁判所は建てることがまずなくボーナスの利点がない。ハンマー的には宗教より若干弱いか。
ということで志向の強さを比較すると、「哲学・勤労・金融」のA群と「宗教・拡張・組織」のB群と「攻撃・創造」のC群に分けられることができそう。そこからフビライは最弱といってもいい指導者で、C群+B群指導者は弱い部類の指導者。A群+C群の場合はバランスの難しい指導者。B+Bの指導者は普通。A+Bでは扱いやすい良い指導者。A+Aの始皇帝とエリザベスはトップクラスと言っていい指導者と仕分けられる。
もちろん立地に左右される場合も多々あるが、フビライとエリザベスとで比べたら難易度が一つ二つ違うように感じても不思議ではないんじゃなかろうか。
文明別ユニットでみるとインドの熟練労働者が序盤から最後まで使える良ユニットで、下手な軍事ユニットに比べてはるかに使い勝手が良い。森林、丘では1ターン早く改善がすむため、都市の成長が早くなり、また森林や丘の分だけ少ない労働者で道路などを賄える。
ドイツのパンツァーはその性能を生かすことはほとんど無い。
アメリカのシールズは優秀だがすぐに機械化歩兵に変わりやすく恩恵は少ない。
ロシアのコサックは非常に優秀で攻撃力18は素晴らしい。時期もちょうどルネサンスあたりで、馬があればライフルに行かずに長期間の戦争を組み立てられる。退却率の高さも売り。
イギリスの赤服も優秀で、攻撃力+2は騎兵とボンバーを敵に回して十分に戦えるほど。解禁時期も良く、長引いても歩兵にわざわざグレードアップしなくても連戦できる。コサックと双璧をなす軍事ユニットといっていい。
フランスの銃士隊は移動力が2になっただけのマスケ。到底ラッシュで使うには力不足。荒らし用。
アラビアのラクダ弓兵は馬が要らないが、これで戦争を仕掛けるには弱い。長弓兵を圧倒できない。どちらかというと防衛用。
スペインのコンキスタドールも同様に長弓に圧倒できない。メイスの上位と言う感じ。こちらもどちらかというと防衛用。
日本の侍はギリギリで使えるかどうかの瀬戸際。首都だけでも落としておきたいくらいの勢いでは使えるが、メイスと同様これをメインに中世入り口で戦争を仕掛けるのは長弓相手にはやはり困難。相手が斧兵くらいの差がないと難しい。
モンゴルのケシクは移動コスト無視が非常に有益だが、戦争でメインを張るまでには至らない。時期的に弓・斧との戦いになるが、アドバンテージは弓騎兵と比べてほとんどないし、馬術は序盤では通常無視する技術。これでラッシュは難しい。探検用。
ローマのプラエトリアンは鉄がでたらこれで一回は戦争にいけるほど強力。まず弓・斧相手に攻撃力8は非常に心強く、斧から象or長弓を出すまでにはある程度時間がかかる分、軍事的アドバンテージが十分確保できる。斧にたいしても白兵がつけられるくらいになれば怖くない。比較的序盤におけるラッシュ候補で最有力。長期でメイスラッシュ時期になっても十分使える。
中国の連弩兵は時期が非常に難しいが、状況によっては非常に有益。副次損害がつくのが大きく、時期的に斧兵全盛の文明が多い為、数をそろえれば馬や象以外は敵ではない。ただし、機械へのルートが重いため、商人を使うなどの工夫が必要で通常の技術ルートからは外れる。
ギリシャのファランクスは槍の為、ラッシュには全く向かない。防衛用になるが通常の槍ですらそこまで活躍機会がない。作ることはほとんど無い。
アステカのジャガー戦士もファランクスと同様でほとんど作る機会が無い。ただ鉄・銅がでない場合において防衛力として非常に役に立つ。ただ弓のほうがいい場合も多いので、これでラッシュも防衛もほとんど無い。
エジプトの重チャリオットは先制攻撃を無効化できるため、相手が弓兵だけならばラッシュできる。ただしもちろん馬が必要で、相手に鉄・銅・馬がない状態でないと難しいため、これでラッシュするのは序盤ということもあって限定的。攻撃が5もあるので、比較的長期にわたって防衛にもまわせる。
ペルシャの不死隊も重チャリオットと同様。こちらは弓兵にめっぽう強いが、攻撃力は4の為斧兵あたりが出てくるともう防衛もむずかしい。スカーミッシュにも対応できるのは強みか。
マリのスカーミッシュはこれでラッシュはできない。攻撃力4の為、鉄や銅が沸かなくても長い期間これで粘れる利点はある。完全に防衛用。
インカのケチュア戦士は最も早期にラッシュできるユニットである。ただし、逆に相手が弓ばかりという状態で強いため非常にリスキーではある。少しの間は弓蛮族にも耐えられる利点はある。活躍時期は非常に短い。
ユニットで見るとインドが異色だがその分強みがあり、コサック・赤服・プラエが非常に使える。これらをA群。銃士・ファランクス・ジャガー・ケシク・パンツァーはC群。他はB群。といった感じか。
初期保有技術は主に宗教創始に関わってくる。インド・アステカ・スペイン・インカ・アラビアが神秘主義を初期に保有しているため非常に有利。しかし創始する気がなければ初期でほぼ利用価値がない技術になるためスタートで出遅れる可能性がでてくる。他の技術は立地との兼ね合いで合う合わないの運の要素もあって一概に言いづらい。ただ車輪はどの立地でも潰しは利く。
トータルで見ると初期ラッシュできそうなユニットを持つ文明に攻撃志向がないため、攻撃志向の優位性が損なわれている。この点から固有のユニットを最大限に使える文明が少なく、通常ルート上で互換ユニットを持っている文明で若干利点がある程度に収まっている。そのためユニットA群の文明だけは明らかに一歩有利といっていい。
宗教創始による利点も大預言者を出してようやっと意味を持つが、独力で輩出するにしても大科学者優先の関係上ルネサンス以降になりやすい。通常では創始そのものの利点は外交的な意味も含めて存外に小さい。宗教が全く伝わってこないリスクもあるにはあるが、神秘主義持ちは損になりやすい。
よってこれらのトータルでみると、イギリスは隙のない文明で特にエリザベスは最強といってもよさそうだ。モンゴルは隙なく弱くフビライは最弱といわれても仕方がない。中国・ロシア・インド・アメリカまでが上位。攻撃と創造がからむアステカ・日本・エジプト・ペルシャと、初期技術を含めてスペインは下位。残りのドイツ・ローマ・ギリシャ・マリ・インカ・フランスは真ん中クラス。というランクづけになる。
自分のプレイスタイルに拠るところ大だが、一方で指導者や文明ごとにプレイスタイルを変えられるならば、そこまで気にはならないかもしれない。ただ、戦争にしても宇宙・文化にしても中盤までビーカーが優先されることを考えると、共通するプレイスタイルもあるはずで、理想的な流れを考えるとこういったランク付けもしょうがないか。