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備忘録

CSCのブログのバックアップだったけど、こっちがほんちゃんに。

にき

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にき

 ヨセ辞典を読んでると後手としても数字が出せない形が一杯で泣きそうになる。

 石を取る単純な後手6目と俗にいう二線のハネツギの後手6目。パッと見この二つしかなければ手番の価値はない。しかし、二線のハネツギの方が一線のハネツギがある分、手止まりとも言えるけど1目得。手番の価値的には2目。これは一線のハネツギ関係なく二線のハネツギが6目だっていうことであり。価値が高いということ。6目+2目といえる。これは実際図を作ってみないとピンとこないもので、単純に6目と憶えていたら平気で1目損していることになる。なんということでしょう。これこそがヨセの計算の出し方の難しさ。



 半先手ヨセ。半逆ヨセ。

 もしプロに話す機会があったとしたら上手く説明をするにはどうすれば?とぐだぐだと考えていた。妄想していた。

 まず逆ヨセをいつ打つのがいいのかという話。手番の価値より高い時に打てれば、その時の最大の後手ヨセを打つよりも得になる。手番の価値は極論すると、両後手ヨセと同じ。つまり逆ヨセと、手番の価値分の両後手ヨセ1つずつしかない状態ならどちらを選べば得になるかの話。だから逆ヨセがそれより大きければ得になる。まずこの原理を踏まえておく。ここから先手ヨセがどういうものかという性質が出てくる。

 次に半先手ヨセの話。理想的なタイミングで打てば先手ヨセになるが、そうでないと先手にならないヨセ。ヨセ事典とかでは、これらのヨセを後手ヨセと同じように扱っている。でもそれで考えてしまうと計算がめっちゃめんどう。プロは読めばいいけど俺なんかはそうはいかない。わかる範囲で理屈で考えられないと意味がない。自分の棋力を正しく使えないとだめ。もう棋力とか早々あがらんし。
 で、前に書いた半先手の出入り損と半逆ヨセの得が重要になる。なんかぐちゃぐちゃになっていたけど、読み返してみるとちょっと前の俺は頭がいい。


 今の手番に半先手を打ったときに生じる出入り損<次の手番に相手が半逆ヨセを打ったときの得


の時が半先手を打つタイミングであるとした。出入り損は相手の得と見てもいい。

 光永ヨセの問題1-1では☆5+8目のヨセと後手11目のヨセがあった。以降の手番の価値はほぼなく、11目が手番の価値といっていい。この場合☆に打つと相手に11目を打たれて次にこちらが8目をうつことになり、半先手である出入り損が3目。11目のほうを打つと黒が半逆ヨセでえられる得が5目。つまり2目の差ができる。問題では☆に打つことでギリギリ半コウを勝って半目勝つ。11目だと半コウを譲られても半目負ける。最善手と比べて一応話は合っている。


 この方法は、手番の後手ヨセの数字を積み上げて、色々足し引きすることによる結論ではなくて、部分における数字の比較が全体最善につながるという意味で楽になる。とはいっても手番の価値と該当する半先手ヨセの数字は必須条件。それを出せないと答えはだせない。これをやると光永ヨセの手止まりについての考え自体があまり必要ないことにはなるが、ただ手止まりと同じ答えが出せることには出せる。手止まりとは何か、それがどう目数差に表れるかというのがわかる理屈。

 
 光永ヨセの1-2でも同様に考える。現状手番の価値はない。黒が右上の半逆ヨセ4目+1目を打つと、白は逆ヨセ1目と逆ヨセ3目+1目のヨセが残る。とすると逆ヨセ3目強のほうを打つことになるので、白の得は3目強。さらに+1目の方は逆ヨセ1目よりも強い。実質4目としてもいいのかな。こっちも逆ヨセは打ってはいるがそこは考えなくていい。
 右下の半先手ヨセ3目から打つと右下に7目(+2目)と白の半先手(5目+6目)が残る。部分的に手番の価値は6目ほどになる。白は7目を打つと次に黒が半逆ヨセで(4目+1目)-手番の価値である残った後手ヨセが実質1目=4目弱得されることがわかる。そして、半先手による手番損は7目-6目=1目程度なので、上の式に照らせば白は当然半先手からヨセた方が得になる。比較すると白からの半先手を打つことで黒の得を3目弱だけ減らしたことになる。手番損1目は

黒A白B黒C→黒☆a白A黒☆b白B黒C
☆aが完全な先手であったとした時と比べてA-bだけ損。

黒A白B黒C→黒☆a白A黒B白☆b黒C
☆aが完全な先手であったとした時と比べてA-Bだけ損。

なのでこうなる。

 ということで、黒から見て半逆ヨセから打つと3目強。半先手だと3目弱白が得をする打ち方が残るようだ。となり、一応半先手の方から打つほうがちょっとだけ得かもしれない。という結論になる。つまりこの場合の黒の打つ手の価値は相手の受け方次第によるともいえる。ちょっとゲーム理論とかにはいるのかな。いってみたかっただけだけど。ちなみにこの得をするというのは、手番の価値が基準になっている。後手ヨセが1つもなかったとしてもこの理論展開はどうも有効らしい。
 結局のところ、7目+(2目)の2目こそが手止まりであり、この問題の半目を揺るがす肝ではあったのだけれど、曖昧ではあるけれどそのカッコ部分まで見えていれば、この理屈だけでもヨセが最善に近い打ち方ができるとなる。

 白から打つ場合は、半逆ヨセ3目+1目を打つと次に黒は半逆ヨセ4目+1目を打つ。約5目得。半先手から打つと黒は先手3目と後手6目が残る。先手3目+1目は確かに先手3目+1目なので、先手約4目得。というわけで半先手からが最善といいたいけれど、どちらで打っても1目半で白勝ち。半逆ヨセの場合手止まりの関係もあって黒の得は4目に限定。そういう意味でほぼ同じだったわけ。
 黒が間違って7目の方を打つ別問題があるけれど、その瞬間、白の手番の価値は7目。当然逆ヨセ4目は打たない。故に半先手と7目を比較する。
 7目を打つと手番の価値がゼロになった黒は半先手4目と逆ヨセ5目の選択をする。この場合さっきの展開で考えると半先手4目のほうが1目弱得だったので、実際は逆ヨセ5目よりも1目弱大きい6目弱黒が得になるということになる。ぶっちゃけここらへんは読めないと駄目だけどね。で、半先手を打つと後手ヨセが7目と6目の二つあるので、手番の価値が1目。そして黒は先手4目を打つことになる。4目+手番の価値1目で黒は5目の得。つまり後手7目と半先手だと、半先手を打った方が1目弱白にとっては得するようだとなる。実際この場合の最善は半先手を打つと半目勝てる。一応こんな感じで理屈で出せる。

 この問題の場合は手番の価値がなく、半先手と半逆ヨセの比較だけが必要だったという意味でうってつけではあったけれど、本来は手番の価値との比較も必要になる。しかしこの問題で手抜き合戦の得失。逆ヨセ合戦の得失についての理解は深まったし、別のケースであっても、得失をこの考え方で比較的容易に出せるはずである。並べた方が速いかもしれないけれど、わざわざ全部並べなくても大雑把ながらも細かい数字が出ることは一応いえた。最もその数字がきちんと出せるかは結局棋力次第だけど。


 この半先手ヨセの考え方は一応、「権利のヨセとは何か?」。に行き着く。今まで後手ヨセとして捉えられてきた半先手、半逆ヨセは、その性質上手順を引っ張るほうが有利な為に、中終盤では微妙な駆け引きに使われていたはずで、ヨセをより難解なものにしていたはず。しかしこの考え方はその比較も容易にするし、また、手止まりのヨセに回れるかどうかというのもわかりやすくなる。まぁ選択肢がさらに複数あったり、細かく計算できるようになるほど複雑化することはするが、基本的な比較基準は数字できっちり出る。両後手のヨセを打つのは手番の価値が高いから。半先手を打つのは次に逆ヨセとして打たれるとより相手に得されるからであるし、半逆ヨセは通常の逆ヨセと同様な意味で打てるが、タイミングは通常より遅くても良かったりするので、効果は同じ価値の逆ヨセよりも高くなりやすいということになる。真逆ヨセの方が優先されるのは当然だけど。




 わかりやすい先手ヨセや後手ヨセは最早考えるまでもないくらいに語られてきたと思う。が、いつもヨセで悩むのはその中間にあるこういったヨセであり、それは後手ヨセとも先手ヨセとも違う性質があったからだったのが分かる。この考え方、半先手ヨセの概念は、別に特別なものではなく昔からあるとは思うのだけれど、この概念をきちんと把握すると、今までのヨセの考え方に別の光を当てることになり、別の意味と解釈がうまれることになる。ヨセの優先順位がわかる。少なくとも考えてきてそう思った。
 自分の知る限り、ヨセにおいてプロがこれについて特段言及しなかったのは、アマに伝える技術を持っていなかったか、それとも読めばいいだけなので、特に分類したりしなかっただけなのか。本当に後手ヨセとして考えてなんら問題がなかったか。理由はわからないけれど、全く読めない自分にとっては、今までのヨセの話に追加して半先手ヨセの概念を取り入れたことで、より強固なヨセの指針ができたと思っている。



 あーやっと自分の中できちんとまとまった気がする。




 全く同じ数字で単純な後手ヨセについては、見合いの場合は打たないでおいたほうが良い場合がある。ヨセは大きい方から打つべきではあるけれど、コウが絡む場合のために残しておいた方がよい場合がある。もちろんコウが絡む前に決めておく方がいい場合もある。その一コウが自分のものになるか、相手のものになるかで勝負が決まるくらいのギリギリのコウ勝負でないと意味はないが、頭の片隅においておくと一局位はそれで勝ちが拾えるかもしれない。
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