ヨセの話。
久しぶりに絶対計算を途中まで読んで疑問がでてきた。後手20目があるのに間違えて後手10目を打った損は5目分というもの。後手の10目の方から打ってしまって6目半負け。だけどそこを間違えなければ勝っていたというのは、実は錯覚だという話。
絶対計算の期待値ではそもそも白地を20目とみなしていたものを25目にしたから黒から見て5目損というのは、一手の価値の話の流れからすると確かにそうなるけれど、別の見方をすればどうなるか。
ざっくり言えばある局面で後手10目のヨセが1つだけだったらどうなるか。パスした時と後手10目のヨセを打った時では当然出入り10目。結果で10目の差がでる。6目半の差ならひっくり返っている。実践での局面がどいういうものかはわからないけれど、確実に最善と比べて10目損していることは変わらない。これは明らか。とすると錯覚だと言っているメーエンせんせーが錯覚していることになる。
むしろメーエンせんせーのこの錯覚はどこからきたのか。
絶対計算による目算と一手の価値との組み合わせによるものと考える。図が一緒くただったのが良くなかったのかもしれない。
相手の石を十子取るヨセ(後手20目)と五子取るヨセ(後手10目)とプラス5目の地。で期待値的にここで20目の地があると算定すること自体は本的にも間違いではない。ミスで15目の地にしたら5目損というのも話はあっているのだけれど、それと一手の価値は別問題であり、その5目損はあくまで期待値としての地、平均としての地の比較であって、最善の比較とは違う。裏に5目得があったことも踏まえて結果について考える必要があるはず。それならば差し引き10目違うこともわかる。一手の価値の差と手番の価値の差が一緒くたになっているか、その裏にあった5目得を失念したことでこんな錯覚が起こっていると考える。
一手の価値という考え方自体は、後手ヨセを見合いした上で何目移動するかを考えるものであるから、期待値目算とのセットで使うと確かに一貫性があるように見える。ただし、手順を間違った場合の得失は裏にある得失も一緒に考えなければ意味がない。出入り計算ではその両方の得失を見ているのだから、見合い計算でこの間違いをやると片手落ちになる。
後手のヨセの差の半分が通常のスコア差・目数差になるというのは確かにそうだし、それだから一手の価値として後手ヨセの差の半分だけの損ですむというの正しいような気がするが、実のところ手番損の考え方からすると完全に間違いで、別の例の20目と16目でも損は4目になる。
んだけどなぁ。俺が間違っているんかなぁ。