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CSCのブログのバックアップだったけど、こっちがほんちゃんに。

にき

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にき

<勝利は10%から積み上げる> 著:張栩

チョウウの囲碁の勝負観や囲碁界に思うこと。生い立ち。日本での指導方法。
一応普通の人向けだけど、囲碁用語はかなりあって読みにくいかもしれない。ネットで見かけた時間の使い方を含めて勝負のうちという考え方や、若手のレベルの低さ、ヨセなどの部分で答えが出せてプロという考え方。実父の教育の仕方、台湾から日本へ来るまでの経緯。日本での苦悩。実際精神的に追い詰められていて、最後と思った年でぎりぎりで入れて工藤ヤンがこんな弱い子がプロにというエピソードはあながち間違いではなかったか。リーグ戦に入ったことが無い棋士に対しての勝率の高さや、勝負哲学は自分の思い描く囲碁像とかぶるところが多分にあり、少しうれしかった。わかるところから順に習得するのが遠いようで近道というのは間違いではなかったか。とはいっても何より読みが足りないが。
義父に対して取り上げられてたけれど、台湾のそれは別の意味の義父のようで、具体的にどういう意味をするものなかのかが今ひとつわからなかった。
手直りでのびのび打てる、逆に打てなくなるという精神的要素が大きいというのはプロにおいても、置石でかなりの幅がでるという点で少し意外。
チョウウだけではないが、トップ棋士は世界戦用に合宿的な研究会を催すなどのことも必要な気がする。日本はベテラン棋士の層が厚く、今成長期うち盛りの棋士といえども予選で負けることが多い。トップ下辺りの層が厚いため勝ち抜くのがリーグに入るのは難しく、トップレベルの対局を集中して経験できる機会は非常に少ない。チャンホが強いのも師匠と集中して打つ機会が多かったことが要因の一つだったと思う。強い人とだけ打つ機会が多いほうが棋士として環境が良いとすれば、少数精鋭での環境も必要になるのではないかと感じる。国内戦優先の今では難しいことなのかもしれないが。
また、新聞解説の溝上ちゃんを電話で夜に検討を付き合わせるという話も、ある種のトップの特権であると感じた。対局者以外の第三者がその対局を詳細に検討しているのだから、自分の反省材料が多くなるという意味でも非常に有益のはず。ひとつひとつ囲碁環境が良くなるという意味で、早期にそのトップレベルなるほど差が広がりやすくなるのは、今の時勢を表しているような気もする。極論運というもので差が広がると言ってもいいくらい。その積み重ねのような気がする。木谷門が強かったのもそういう検討環境及び少数精鋭の環境があったからではないか。と感じたりすもする。
普及や裾野の拡大は当然だが、国内プロ同士における棋力の向上は国際戦での不振から非常に急務だと思う。世界戦で活躍できれば所得が上がるし、棋士としての魅力も多少なりとも上がるからだ。少子化時代の親が棋士を目指すことを許すかどうかに関わってくる。また石田章九段の話もあるが、数が少ない以上は少ない数の質をどれだけ伸ばせる環境を作れるかは重要。10年後の世界戦の主役のためにも。

結局のところ囲碁界が巻き返しを果たす為には色々大変だよね。大学での授業が普及の一助にはなっているけれども、魅力的な職業と見えるためにはゴルフ並に所得も大きくないと難しいだろうし、世界戦もメディアで取り上げられるくらいじゃないと駄目だしね。ただ、一番即効性のあるのが世界戦で結果を残すことだったりはする。メディアで取り上げられるし所得も増える。世界でトップの文化というのはそれだけでステータスであるし、文化的な意味での貢献は変え難いものがある。紫綬褒章もらえたりするし。世界的普及がじわじわ増えていることでもあるし、囲碁文化が理解されるようになると、所得以外のステータス向上が棋士の魅力につながればとも感じる
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