頭のいい人、悪い人の話し方 樋口裕一
三年ほど前の本なのか。当時そそられるタイトル、ベストセラーでどうのなんていわれて気にはなっていたので読んでみたが、今一つ。
様々なタイプの頭の悪い方の例えを持ち出して、愚かには見えないないようにするにはどうすればいいか?というのが基本的な流れだったが、あれだけ例として挙げているタイプの数があればどれか当たりそうなものだが、逆にタイプを強調しすぎている感じもあって、俺はどれもあまり共感できなかった。近くにそういう人間がいないというだけなのか、俺の感覚が鈍いのか。でもってそれが数十パターンあるから、飽きるというかだれるというか。期待が大きかった分読むのが辛かった。
どちらかというと頭がいい人の話し方をフューチャーしてたほうが面白かったんじゃないだろうか。対比させたりしてね。ただ、頭がいい人の話し方は、それ相応の頭の良さがないと、それが頭のいい話し方だと理解できなかったりするかもしれない。あと、もともと対した量ではない文を、新書に入るように膨らましすぎている感じも受けるが、悪い話し方をしている人に対して現状認識しろと言っているような一種の啓蒙本だから、構成的にこういう印象を受けてしまうのもしょうがないのか。コンセプトは悪くないと思ったんだけどなぁ。時流に乗って、当時売れたんだろうか。
あとがきを読めばたいそう研究している方のようだから、それがきちんと表現されていれば面白く読めたとは思うんだが、表現が平易すぎるところもあるのかな。面白い書き方をされていればもっと売れたんじゃなかろうか。
あ、「平易」って「へいい」って読むのか。今まで「へいえき」だと思ってた。一つ賢くなった。