麒麟がくる
全44話。OPのフォントからしてシンゴジラを意識していたのがわかるし、色々オマージュが入っているのかもしれないのだけれど、そういうのは知らないとわからないし要らん気もする。今になってみればこれを見せる。という芯がなかったからかもしれない。服の色彩や立て膝みたいなのが新鮮ではあったけれど、ストーリーとか展開で言えばまとまりがなかった。という印象。最終回まできれいにまとまっている感じはなく、全体としてはとっ散らかったままというか。道三が死ぬところまでは普通に見れる。ただ、義龍謀反への展開自体は義龍の独りよがり感が強くて、戦国的な必然性があまり感じられない。さらにそこから1567年まではほぼ飛ぶし、義昭を奉じてからの約15年のうちで一番重要そうな残り5年ほどが最後2話で一気に飛んだ上に、碌な描写がなかった。一応の本能寺の変を起こす動機的な話の筋はわかる。が、見せ方として説得力が足りない。あっさり過ぎる。緒方直人の信長のマイケル富岡並の積もり方がない。初期メンの太夫、医者、駒、菊丸、帰蝶のご都合感はあるがそれはまぁ許せる。が、30年は経ってるのに、容姿はほとんど変わらず。光秀だってもっと老けさせても良かっただろうに。最終話で濱田岳が官兵衛役なのは笑ったが、クレジットの最後が最終回まで堺マチャアキというのもな。熙子が死ぬ回はしょうがないとしても、秀吉の母とか出す必要なかっただろ。何なら鶴ちゃんあたりのくだりはカットしても良かったようにも思う。結果として展開だけ見ると後半は松永久秀の方がまだ主役感あった。前半は道三様。戦国の主役になれなかったという意味ではあっていると言えばあってるが、これだと光秀は道三ー久秀ときた梟雄としての流れを汲むことになってしまう。光秀というキャラクター自体はちゃんと立ってたが、そのキャラと展開から生じる光秀の役割がちぐはぐでまとまりがないという印象もそういうところからきているんじゃないかと思う。戦描写自体もぬるい。頑張ってたのは破城槌と矢が刺さるシーンくらい。あくまで部分で戦全体としては弱く見えた。まともに見えるのは道三が死んだ長良川とか井ノ口の戦いくらいか。前半のやつだから後半はコロナの影響でできないとかあったかもしれないが。まぁ始まる前からトラブルがあったし、さらにコロナだったが、とはいえ、残り5話分省略しました感ひどかったな。もうちょっとどうにかならなかったもんか。終わり方自体も雑だったし。もう少しエピローグ的な最終回にすればいいのに。最終回をクライマックスにするなと。するなら前半で終わらせろと。綺麗に落ちないじゃん。大河は基本死んで終わるんだから、死に様をクライマックスにしないならなおのこと。キャスト的には明夫が出てきたのと、緒方さんが二役くらいでいたのと、山路さんは常連だけど、武田幸三が顕如でいたのが面白かったかな。調べると真田丸にもいたのか。大河役者で一番キックボクシングができるわけか。あしだまなだよーはそこまでの美人に見えないのがな。可愛い系じゃん。海老蔵は悪くはないが良かったとも言い難い。ちょいちょい囲碁描写はあったけど、どれがなにかはわからんまま。直虎よりかはマシって感じ。せごどんと比べるとうーん。どっこいかちょっと上かな。
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