ふと気になって調べた。
2021年の映画の興行収入は約1620億だったそうな。最高だったコロナ前の2019年に比べて約62%。邦画率が過去最高の約8割に。
邦画の売り上げが約1300億なのだが、アニメ売り上げが約460億。漫画原作の実写映画がパッと見た限り158億。計618億でおよそ売り上げの半分がアニメ、漫画系の作品。
ジャニオタ枠として、滝沢歌舞伎と嵐で66億。
他でいうと新規映画作品。テレビドラマ原作。小説原作。なのだが、今の映画ってこんな感じなのか。アニメだけど原作は小説とかもあるから一概には言えないけれど、アニメ、漫画がないと回らない業界になってるわけだな。
今年はワンピースに新海もいるから、洋画の回復も踏まえると邦画実写の売り上げ割合はより小さくなるかもな。
あくまで売上での話で、公開されたのが1000本弱ほどということなので、数で言えば実写が大半なのだろうが、公開されたうちの3%にも満たないアニメ、漫画系が4割を売り上げているのは、構造上あまりよろしくない気がする。もちろんアニメがなくなったらなくなったで、別のが見られるとは思うが、映画産業としてどういう構造を望んでいるのか今一つ見えない。10億未満の作品は検索しても大して出てこないんで、そこら辺が分からんな。
ただ、構造的に映画産業全体で売り上げの何倍もの費用が掛かっているとは思えないので、市場規模としてみるとあまり大きくはないな。
そもそも映画ビジネスというのがもう時代遅れと言ってもいいかも知れないな。エンタメの一部ではあるが、エンタメにおける魅力度の目安にしかなってない気もする。映画だから見に行くのではなくそのコンテンツを見るために映画館に行くというか。「映画」に対する魅力が相当小さくなっているように思える。逆に言えば映画でなくても別の手段があればそちらでも構わなくなる。元々そういうものだし、大画面、大音響が映画館の持つ魅力だった気がする。「映画館で見ること」と、「映画を見ること」は同期しなくなっている。
コロナきっかけでネトフリやらアマプラやらで自宅で映画作品を見るようになった人も多いだろうし、配信環境自体が整ってきているのもあって、積極的に映画館に足を運ぶ人もコロナがなくなっても急回復するとは思えないので、斜陽と言ったらあれだけど、映画ビジネスは難しいところにきているのかもな。音響や4Dでというのは映画館の方向性として分かるところだが、2時間4,5000円の価値があるかは人にもよるだろうし、コストがかかるという面でもなかなか。他のエンタメともつながらないと難しいかも。応援上映なんてもうありえんけど、ライブやコンサートの同時配信のような形とかだろうか。しかしそれも、メタバース空間でやるような時代もくるし、アナログやライブ感だけではもうどうにもならないかもしれないな。映画もできる多目的ステージという形の方がマシか。
比較でいうと2021年のウマ娘の売り上げは1000億という話がある。1コンテンツにおける売上であり、エンタメではあるが、映画産業とほぼ交わらないコンテンツで、未来にはあるかもしれないが、映画とソシャゲは基本的には競合する業態ではある。ソシャゲ市場が1兆円超えている時代に、映画の2000億弱の影響度合いは、いかばかりなのだろうか。音楽市場ですら2000億だしな。遊園地や水族館といったテーマパークのエンタメも、ライブコンサートのエンタメも加味すれば、なんかメディア的な露出が多く見えるくらいで、そもそも大したことないのかもな。
そう考えると映画とはもはや宣伝メディア。くらいの認識の方が良いのかもしれないな。広告主にお金が入る宣伝メディアと考えると、ある意味ビジネスとしては優秀ではある。映画の魅力というのは視聴者側ではなく、製作者側の都合によって出来ているものなのかもしれない。
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