前書いたセキ駄目問題は論点がずれてたな。
あそこが地だとすると、どういう問題があるかを考えるべきで、セキ駄目前提じゃダメじゃん。
地だとすると、石を埋めて良い場所。と考えると1目分多い。ってことになるのだけれど、整地段階では不正がしやすくなるかもくらいには思うけど、アゲハマ段階で埋めてしまっても特段デメリットがあると思えない。あとはセキ駄目がどこかわかりにくくなるってくらい。
とすれば、地とは認めない理由は対局停止後の死活確認時点にありそう。
セキ生きそのものが特殊な例外的な生き形であって、完全な生き石ではない。という解釈にしないといけない。実際日本ルール規約にもそういうことが書いてある。
純碁の場合は石を置けるのであれば1目として成立する。大きい中手で中手側が一方的に置ける場合もまた然り。だから特に例外として扱わなくても良い。
では、どういう理由なら地ではないとなるのか。
散々考えたが、結局そういう形だからってことになる。
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雑な図だけど、左上は眼アリ眼ナシの特殊なセキだが、白地2目とは数えない。理由はその空点が1つだということが隅の黒二子が生きている理由になっているため。
右上はちょっと変則的ではあるが、白から黒二子を取りに行こうと思えば行ける形。が、取りに行くと白地5目の黒地4目。差し引き白地1目と言える。取れないように黒がホウリコミを打てばアゲハマ分で白地1目。セキではあるがこの場合は白地1目として処理すべき形といえる。
左辺図は構造的には前回示した左下の形と同じ。左辺の黒8子が生きている理由にその眼っぽい形のように部分的に取られる形に意味があるとみなせる。完全につながっている1眼にするなら白は手を入れて空点を1目にする必要がある。つまり厳密に地とは呼べず駄目とあまり変わらない性質となっている。
対比としての右辺図は黒から1子ホウリコミを打たないと黒5子は全部取られてしまう。1目の眼にしないとセキにならない。◇の1子が黒なのか白なのかの違いなのだけれど、この部分が地ではないということの違いに他ならない。
左下は左辺図と同様に◆に黒石があるから、その左下の空点2目を地とみなすことができない。黒二子が生き石である理由は、白が隅の黒二子を取りに来ても、その空点を打つことで白2子を取れて、地の損得はトントンであるという理由ともなっている。白地と思われるその空点に黒石が入る事を想定している。この解釈の仕方で言えば、その2目の空点を完全な白地とみなす方がおかしい。
かたや右下は、□に石があるが故にアゲハマ分の1目が地として認められる。
その位置に石があるかないかが、地として1目あるかないかの違いとなっている。
死活確認においてセキの形は色々あるが、セキ生きとしての認定の過程で、地のように見える空点も関わっているために、完全な地として認められない。ということだと思う。左下と右下の違いがまさにそれなのだということ。そして左上は押せないからってのがメインとは思うが、右上の形もその理屈でほぼ説明できる。死活確認過程おける解釈が理由。ってところか。似たような形との違いを考えることでどうにか導き出せるな。
中国ルールではこのセキの解釈が違うということもあって、日本ルールと結果が大きくずれることがある。これはどっちが正しいとかではないが、日本ルールにおいてのセキの解釈は双方の地はゼロであり、最終的にどのような形になろうとセキ判定になった時点でゼロゼロである。ただ、セキになるまでの過程で発生するアゲハマは地と同義である。と言えそう。
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