昔のアルファ碁学習ツールで見てみると、初手星、小目の勝率はほぼ変わらないにしても、天元は5%ほど低い。中国ルールの7目半のコミのせいもあるかもしれないが、5%というのをどう見るか。
山下九段の二手目天元に関しては、他の手より7%近く変わる。
最近のAIで日本ルールだとどうかはわからないけれど、序盤すぎることもあるし単純な勝率だけを見て手合い割りを目数換算をすると、定先の手合い割りの時の上手の互先での勝率は75%くらいと見込まれるので、コミ1目違えば4%強勝率の期待値的には増えることになる。5%の違いはおよそ1目強、1.2目くらいの損と言えるだろう。
昔の山下九段が天元は2目ほど損。と言っていたが、アルファ碁の勝率と目数的な得失の関係は大まかには符合する。当時のコミは5目半だったりするが、黒の優位性は変わらないし、人間より強いアルファ碁の布石感覚で言えば、初手天元はそこまでの損がないとも言える。
プロレベルは当然1目にしのぎを削っているのだから、0.1%でも勝率の高い手を選ぼうとするのは当然ではあるが、相手の研究を外し自分の土俵で戦おうとするのも、勝負における戦略として有効である。盤外戦術よりよほど健全なくらい。初手天元程度であれば、プロであってもありえる戦略と考える。
また、アマ目線から考えると、元々1級差が一子でなので、手合い割り的な差をそこまでこだわる必要がないし、ヨセがザルなアマがそんな序盤の1目の差くらいでグダグダいう理由がない。序盤くらいは自分の打ちたいように打って何ら差し支えないことが分かる。
中国ルールにおける7目半のコミは、そのまま単純に言えば勝率で5%弱の違いが出る。得する率が半分としてもトップになるほどその1目が大きく感じるんだろうな。なんか中国ルールでも6目半にするという話があるそうだが、どうなるんかね。
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