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最強囲碁AI アルファ碁解体新書 大槻知史


予約してようやっと来たので。
前回読んだのと比べて、カケツ戦以降というのもあって、具体的かつ詳細な解説がされている。とはいっても基本的には最初のネイチャー論文をそのまま解説しているもののようだけれど、数学知識もプログラム知識もない自分にはさっぱりな部分が多かったが、大枠としてかなり分かったような気がする。理解が深まったというか。その上でこれを熟読して理解できるレベルに達しさえすれば、アルファ碁クローン作れるかもしれんねと思うほどに技術書ではあった。
少なくとも「アルファ碁」およびその延長線上の「Master」までの部分はこの本一冊でもそれなりに理解できるのではないだろうか。良書。囲碁というよりかは、プログラマ向けなんだろうね。
ポリシーに関してはまだちょっと概念的にあやふやだけど。


ただ惜しいのは、出たのが2017年7月ということで、10月に発表されたアルファ碁ゼロ。12月にでたアルファゼロに関しての部分は当然ながらない。であるので、もう一段階上に進んでいるアルファ事情に関しての記述がないので残念。「アルファ碁」に関しては十分だとは思うが。

基本的な構造やアプローチ自体は変わらなかったとしても、アルファゼロはMasterバージョンと比べ一子分ほど強くなっていると見られるのだが、他の囲碁AIの限界点までほぼ示されてしまった。所詮クローンであるからしょうがないが、もう2番しか狙えない競争を頑張る人間がでるかどうか。機能的な意味で言えば、解説や次の一手などで棋士に貢献できるようにはなるのだろうが、棋力という意味で言えば、囲碁AIの上はほぼ決まってしまった。

さらに人間から見ればというか、Master時点でもそうだけれど、最早宇宙人や神レベル。人が理解できる域ではなくなった。これはゲーム以外の分野でもそうなるだろうことは想像に難くない。一度でも枠が壊れてしまえばもう止まらない。AIが止まらない。AIがどう判断しているのかがわからなくても、人より結果が出るのであれば、どんどん採用されて普及していくことになる。また、普及されるほどに人を上回るAIが多く生まれることになる。生まれるほどに人の社会活動の領域が狭まっていく。そしてAIを否定するにはAI以上の結果が求められる。結果AIに隷属することになるんだろうなぁ。
自動運転だって、AIが原因の事故の責任を誰が持つかという程度の話で、ペットの不祥事とさほど変わらない。結局パフォーマンス次第だろうし。

シンギュラリティとかの話も少しでてたけど、AIが自律してっていうのはやはりあまり考えてないみたい。俺も考えていない。全ての面で人間以上というAIは確かにハード制約的な意味でも当面なさそうとは思うけれど、ただ、部分であれ人を超える機能を持つ道具を悪用する人間がいないとは限らないんだよなぁ。道具なんて使う側次第だし。相対性理論から原爆が生まれたように、AIによって不幸な何かが生まれることも十分考えられるんだよね。AIにおけるインパクトが強いほどにそのリスクも高くなるというか。AIを使った効果的なテロなんてものが実現されないとも限らない。AI依存が増すほどにね。もちろんそれ以上に社会の利益にはなるのだろうけれど、どうなることやら。
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