・狼王ロボ
・愛犬ビンゴ
・だく足のマスタング
・ぎざ耳うさぎ
改めて読むと有名な狼王のボリュームが意外と少ない。他の3本の方が文量が多かった感じ。
しかし、よくよく読んでみると普通といえば普通に見えるが、娯楽的な面白さを置けば、まさに良著の見本というべき作品であると思う。
狼王は自分と他人目線。ビンゴは主に自分目線。だく足はほとんど他人目線。ぎざ耳はうさぎ目線。違う目線で描かれているが、動物の行動や生態は非常に現実的に感じられ、違和感などはまるでない。動物の動き一つ一つに詳細な観察によるものが感じられ、それらから見えてくる動物の心理がさも真実であるように思わされる。
また自然の営みがそこには描かれている。人と獣の知恵比べ。動物同士の争い。弱肉強食。その命のやり取りは今の都会にはない自然の厳しさを湛湛と伝えている。一種の残酷性などは自然界においては当然の事であるのだと改めて感じさせられた。
大人よりも子供には是非とも一読させたい内容だと思う。確かにあまり面白くないとは思うが、そこから多くのことを学んで欲しい。そんな気にさせてくれる。次は2を借りてこようか。
あとがきで知ったが、ボーイスカウトの元になった活動した人であったというのもびっくり。動物記等の著作だけでなく、いろいろな意味で歴史的に名を残すべき偉人の一人であったと思う。