アル・ゴア
地球環境がどう変わってきてこれからどうなってしまうかの話。
ゴアのこの活動における動機や、その思いを育んで来た家族との話も結構ある。
写真が結構多く、昔と今の氷河の違いや、雪の量、極の氷の溶け出した前後など様々。
二酸化炭素濃度の推移や、平均温度、海水温度、などの予測もある。
クリーンエネルギーについてもそれなりに書かれており、とはいっても主に風力だったが、その電力をどうするか、どう使うか、選択するか。などもある。
自動車のバイオエネルギーについての見通しや、燃料電池は当分は無理だろうという話も。
二酸化炭素濃度のデータを採りつづけて、早い時期に地球のこれからに警鐘をならした教授に教わっていたゴアは、そのデータに衝撃をうけ、今でも環境問題への啓蒙をライフワークとして活動している。
温暖化で極の氷や氷河が溶けることによって、水位だけでなく海流が変わる。他に多くの炭酸ガスを海が吸収することで、海が酸性化すると珊瑚礁が死滅し、海の生態系が変わってしまう。水温の上昇は生態系にも影響するし、気候にも大変な影響がでる。他に台風の多発生、大型化が起こりやすくなる。
昔、フロンについては世界的が合意が達成され、フロンによるオゾン破壊はなくなっている。その成功経験をこれからに活かせないものか。京都議定書に対するアメリカ、オーストラリアが批准しないのはどういう構造問題があるのか。中には温暖化すると恩恵を受ける国がいるとか。世界的環境変化の前にそんな恩恵はふきとぶだろう。ブッシュ政権は石油などのエネルギー企業との繋がりが深いため、温暖化の問題に対しても疑問を投げかけるようなスタンスでおり、そういったロビー活動にも企業はお金をかけているという。そのために、アメリカ国内のメディアでは温暖化は人為的なものでないという説の記事を載せる場合が半数はある。しかし、科学者の論文の統計を見ると、人為的なものであることを否定する論文は皆無である。どの科学者をとっても、地球温暖化は人為的であるという。
エネルギー資源企業の遣り口は、昔タバコ産業が肺ガンになるという説の効力を打ち消す為に、疑問を投げかけるキャンペーンをはっていたがそれと同じであるという。
アメリカの産業保護的なスタンスが結果的に首を絞めている例として、自動車業界を挙げている。
日本、ヨーロッパのなどの排出ガス規制は非常に厳しいが、それに比べてアメリカは中国よりもゆるいというか最低ライン。そのため、アメリカの自動車会社はアメリカでも売れない車しか作らなくなり、結果業績を悪化させている。一方トヨタ、ホンダはアメリカにおいても好業績をキープしている。規制と経済発展が矛盾しない良い例だと思うが、ぬるま湯に浸りたい人は規制はゆるい方が良いと思うらしい。
南極などの氷棚の水溜りはじわじわ周りを溶かすのではなく、チーズのように氷棚に垂直に穴をあけて割れやすくする要因を作る。そのため、一気に割れ落ち溶けてしまったりする。
海水面の上昇は地図を作りなおさなくてはならなくなる。国はなくなるし、数十センチの上昇でも海岸線はかなり変わってしまう。
炭素取引はそれなりに効果がある。現在規模もあまり大きくなく市場として買い手があまりない状態だが、二酸化炭素の排出抑制が利益になるという意味において非常に有益。インセンティブ効果。
大気の層というのは本当に地球規模から見ると薄い膜である。故に人間でも簡単に影響を与えてしまう。自然はどれもでかいわけではない。
気候変動は当然、様々な生物種を脅かしている。生態系が壊れる要因。絶滅危惧種はペンギン、カエル、などなど。ホッキョクグマは氷がないところは泳いで移動するが、氷がなくなると泳ぐ距離が長くなりすぎて溺れたりする。
地球の大半の木は北半球にある為、夏には二酸化炭素濃度が減り、冬にあがる。
気温上昇によって、冬などで活動できずに死んでいた生物種が冬でも死なずに生きつづけ、森を殺したりしている。同様に、高地にある都市では温暖化によって、今までいなかった蚊が繁殖するなど、今まで不要だった感染症対策をしなければならなくなっている。
ヒマラヤには二十億の人間の生活用水となる大河の源がいくつかあるが、それも危くなっている。
温暖化による砂漠の広がりは雨が降らないところが増える一方で、別のところで集中豪雨や洪水が起こりやすくなるという面も裏にある。また乾燥による山火事は砂漠化と温暖化の両方拍車をかける
南極の氷の層からわかる二酸化炭素濃度を数十万年の単位でみても、ここ数十年の二酸化炭素濃度は異常であり、気象ももちろん異常である。熱波で数万人が死ぬ。
今までの技術+今までのやり方→予想できる結果。新しい技術+今までのやり方→予想できない結果。科学技術を盲信するなかれ。フロンのこともある。
アメリカは世界の3割くらいCo2を排出している。一人あたりでは小さいが中国も多い。日本は省エネ国家なのか結構少ない印象。
永久凍土も溶け出すと道路が陥没したりただの使えない土地に。
13歳から煙草を吸う姉が肺がんになり、家でのタバコ栽培を止めた。影響を与え自分を当選に導いたといっても過言でない姉はもういない。
代議士の父親から、土について良く聞いていた。妻とも良く話すし、助言は色々ともらう。
息子の事故から考え方はガラリと変わる。今まで重要だと思っていたことは全然重要でなかった。
街と土の生活を半々で過ごしている。
アマゾンの写真。四角く開拓されているところが昔に比べたくさんになっている。
森林の伐採なども影響が非常におおく、開拓の為の野焼きは凄い二酸化炭素の排出に繋がっている。
ざっくり思い出せるかぎり書いた。印象は偉い大変な事態であるということ。状況は俺的に絶望的なくらいに深刻。でもゴアは絶望せずに一人一人が行動することが大事である、希望を捨ててはならないと言う。基本的にそうであると俺も思う。
排出量は、ガッテンで見ると最近のトイレは結構排出しているらしいが、流行りの液晶もブラウン管に比べれば省電力だし、エアコンなどの家電でも省エネを謳うものは多い。パソコンなど1990年と比べて増えたものも多いだろうが、これから省エネはより重要になるんだろう。というわけでリッターで20kmくらい走る日本の自動車は偉いと思う。
クリーンエネルギーももっと効率良くならないだろうか。新しいエネルギー源があれば良いのにと思う。熱や光から効率良く電力を取り出せれば良いのに。おもに電力の使い道の反対から。一番良いのは砂漠をエネルギー源ないし緑化することなんだろうなと思う。あとダイエットマシーンで電力生み出せるの作ろうよ。一石二鳥。
この前ライトダウンのニュースがやっていた。常々思っていたが、都会は夜でも明るすぎる。夜の光のない公園でも慣れれば平気で歩けるくらい明るい。どんどんこういうことはやっていくべきと思う。
日本の電力政策では確かにプルサーマルなどはものすごい長期的に非常に有効な手段であると思うが、電力を使わせないように仕向けることはそれ以上に重要であると思う。電力会社の利益にはならないかもしれないが、それだけ原油リスクは減るし環境にもいいなら日本にとって万万歳である。できればクリーンエネルギーの普及にももっと力を入れるべきじゃないだろうか。中途半端に原子力アレルギーのある日本において厄介もの扱いされるのであれば、発電所一基分でどれだけのクリーンエネルギーを導入できるか考えるべき。水力も今や海岸線の弊害も目立ち始めていることだし、もうそういう時期に来ているのでは。
この間の水だけでなく、無駄に過ぎる電力消費は慎もうと思った。色々と自然に優しく生きることは自分に優しいことでもあるという思いを深くした。