本因坊戦が賞金850万に減額。5番勝負。と小棋戦に降格。序列5位に。
新聞が斜陽なのは知っていたし、日本囲碁界の凋落も知っていた。ついに訪れたという感じ。
この結果も新聞社の経営努力だけでなく、棋院の経営努力が全く成されていないことの表れでもある。外部から有名な経営者を招いたりしていたのにも拘らず、長年組織として改善に向かわなかったのは、囲碁界全体の怠慢と言える。少なくとも経営陣の努力及び能力不足は明らか。近年の最年少プロの話は話題作りにはなるかもしれないが、根本的な解決にはならないからな。
今の日本ルールを捨てるくらいはしても良かったのだろうけど、そういう頭はなさそうだしな。
普及が第一と考えるプロ棋士は多いし、実際賞金で食えないプロは大なり小なりアマチュアへの指導と普及が棋士としての仕事になっているものであるし、普及の最善線を担っていたはず。
にも拘らず、普及が進まないのはもちろん他の娯楽との競争もあるため、どんな天才経営者が棋院を運営していたとしてもこの結果は避けられなかったかもしれない。しかし、本当に普及を第一に考えるならば、普及しやすいルールに変えるくらいはしても良かったはず。9路どころか5路3路から入ったって良かったはず。それができなかったのは考えが甘かったからと言わざるを得ない。新聞社などのスポンサーに頼りきりの体質すら変わらず、自ら稼ぐことへの意気すら見えない。環境を自覚して自分たちを変えられなかった。ぬるま湯の蛙が如く斜陽が斜陽のまま朽ちていくというのは、分かっていたことではあるが、何とも残念な気分にはなるな。
依田をどうこう言う前に、経営陣は自分達を省みる方が先ではなかったか。
棋士はプレイヤーである以上、棋力向上に努めるものではあるが、タイトルホルダーですら普及に関して心を砕かねばならない状態を放置していたのだから、棋院はプロ認定機関としては失格と言わざるを得ない。認定状なんて特に要らんからな。で、経営陣はどう責任をとるんだろうね。
次はいつ。どこが。だな。
ただ、日本囲碁界が終わるかどうかはまだ確定はしていない。新聞業界は斜陽ではあるし、それに依存する囲碁界も斜陽ではあるが、それ以外の業界からスポンサーをとりにいければ、新聞という船から降りられれば、理屈としてはまだ継続は可能ではある。それができる人材がいないからな。
囲碁しかやってことなかった人間が、おいそれと経営ができるわけないんだけどな。そういったことも含めて昭和の時代から放置してるんだから、当然の帰結。棋士だけでなく棋院を運営できる人間も一緒に育てる必要があったんだけどな。ここまでくるとこんな泥船を経営しようという数寄者ももういないからな。やっぱ手遅れかな。算砂の辞世を思わせる。盤面ならどうにかできる能力はあっても、現のことには手も出ないってか。
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